2026年

3月

8件

編集部の総括

GPT-5.4が汎用モデルにPC操作を載せ、Soraアプリを畳む

5日、OpenAIがGPT-5.4を公開。画面を見てマウスとキーボードを動かす操作を汎用モデルに初めて組み込んだ。デスクトップ作業を測るOSWorld-Verifiedで75.0%を出し、OpenAIは人間の成績を上回ったとしている。17日には小型のminiとnanoが続き、miniは無料の利用者にも開かれた。

24日、OpenAIが動画生成SNSアプリSoraの終了を発表。2025年9月30日の公開から半年足らずでの撤退である。アプリとWeb版は4月26日、APIは9月24日に止める2段階の日程が示された。

推論にかかる費用に収益が見合わず、利用者も減っていたと報じられた。OpenAIは計算資源をコーディングと法人向けに振り直し、動画生成はワールドモデルの研究として続けるとしている。

使う側の語彙も増えた。AIが生成したコードが、誰にも理解されないまま積み上がっていく状態を指す「理解負債」という言葉が、この頃から開発者の間で語られ始めた。技術負債になぞらえた言い方である。

このブロックは編集部が書いた総括です。出典付きの記録とは分けて表示しています。

記録8件
  1. 5
    モデルOpenAI

    GPT-5.4公開、汎用モデルにPC操作を組み込む

    OpenAIがGPT-5.4を公開した。画面の画像を見てマウスとキーボードを動かす「コンピュータ操作」を汎用モデルに組み込んだのは、同社としてこれが初めてになる。デスクトップ作業を測るOSWorld-Verifiedで75.0%を記録し、GPT-5.2の47.3%から大きく伸びた。OpenAIはこれを「人間の成績72.4%を上回る」と説明している。ただしこの基準値はOSWorldの論文が369タスクを人間にやらせて得た数字で、専用のコンピュータ操作エージェントは前年12月に既に超えていた。実務に近い知識労働を測るGDPvalでは83%、事実の誤りはGPT-5.2比で個別の主張が33%、回答全体では18%少ないとした。APIの文脈は最大100万トークンで同社としては最長となり、ツール呼び出しに使うトークンを減らす「Tool Search」も加わった。ChatGPTではGPT-5.4 Thinkingとして展開し、より多くの計算を割くGPT-5.4 Proも用意される。17日には小型のGPT-5.4 miniとGPT-5.4 nanoが加わり、miniは無料とGo、それにAPIとCodexで、nanoはAPI専用で使えるようになった。

  2. 9
    政策Anthropic / 米国防総省 / ドナルド・トランプ / ピート・ヘグセス

    Anthropicが連邦政府を提訴、「違法な報復」と主張

    Anthropicが国防総省などを相手取り、2件の訴えを起こした。カリフォルニア州北部地区の連邦地裁と、ワシントンD.C.の連邦控訴裁の2本立てである。2月末の「サプライチェーンリスク」指定と連邦機関での使用禁止について、通常の契約紛争の域を超えた「違法な報復の企て」であり、修正第一条の権利を侵害し、サプライチェーンリスクを定めた法律の適用範囲も超えていると主張した。交渉が決裂した争点は、Claudeを米国民の大規模監視に使わないことと、自律型兵器による殺傷に使わないことの2つで、Anthropicはこれを譲らなかった。同社は「当社の評判と、根幹にある修正第一条の自由が攻撃を受けている」とし、禁止措置の執行を止めるよう求めている。

  3. 11
    ガバナンスAnthropic / ジャック・クラーク / サラ・ヘック

    Anthropic Instituteを設立、ジャック・クラークが率いる

    AnthropicがAnthropic Instituteを設立した。強力なAIが社会に突きつける問題を扱う研究部門で、共同創業者のジャック・クラークがHead of Public Benefitという新しい役職で率いる。既存の3チーム——モデルの限界を突くFrontier Red Team、実際の使われ方を見るSocietal Impacts、雇用と経済への影響を追うEconomic Research——を束ね、AIの進歩の予測と、強力なAIが法制度とどう噛み合うかの研究を新たに加える。Anthropicは、この部門には「最前線のAIを作る者しか持たない情報への接続がある」と説明している。あわせて公共政策チームも拡張し、サラ・ヘックがHead of Public Policyに就いた。

  4. 17
    ガバナンスMicrosoft / サティア・ナデラ / ムスタファ・スレイマン / ジェイコブ・アンドレウ

    MicrosoftがCopilotを一本化、スレイマンは自社モデルへ

    Microsoftが個人向けと法人向けに分かれていたCopilotの組織を一本化した。体験・基盤・Microsoft 365アプリ・AIモデルの4本柱に整理し、Microsoft AIで製品と成長を見ていたジェイコブ・アンドレウがCopilot担当のエグゼクティブバイスプレジデントとして統合後のチームを率いる。ムスタファ・スレイマンは日々の製品の責任を外れ、超知能と自社のフロンティアモデルの開発に専念する。両者ともサティア・ナデラの直属である。ナデラは、AIの使われ方が「質問に答えコードを提案する」段階から「複数の手順を実行する」段階へ移りつつあるとし、製品の寄せ集めを一つの統合された仕組みに変えることを再編の理由に挙げた。2年前にスレイマンを迎えて以来、MicrosoftのAI組織で最も大きな組み替えになった。

  5. 24
    製品OpenAI

    Soraアプリの終了を発表、公開から半年足らず

    OpenAIが動画生成SNSアプリSoraの終了をXへの投稿「We're saying goodbye to Sora」で発表した。2025年9月30日の公開から半年足らずでの撤退となる。その後、アプリ・Web版は2026年4月26日、Sora APIは同年9月24日に終了する2段階のスケジュールが示され、ユーザーには期日までのコンテンツのダウンロードが呼びかけられた。高い推論コストに収益が見合わず利用者も減少していたと報じられ、OpenAIは計算資源をコーディングやエンタープライズ向けに再配分し、動画生成はワールドモデルの研究として継続するとした。

  6. 26
    政策Anthropic / リタ・リン / 米国防総省 / エミール・マイケル

    連邦地裁がAnthropic排除を差し止め、報復と認定

    カリフォルニア州北部地区の連邦地裁判事リタ・リンが、Anthropicへの「サプライチェーンリスク」指定と連邦機関での使用禁止を差し止める仮処分を出した。リンは「指定の理由として挙げられたものは口実であり、真の動機が違法な報復だったことを記録が強く示している」と述べている。Anthropicが譲らなかったのは、Claudeを米国民の大規模監視と自律型兵器による殺傷に使わせないという2つの制約だった。国防総省はこれに従わなかった。国防次官兼CTOのエミール・マイケルはXへの投稿で、命令には「多数の事実誤認」があり、指定は関連法のもとで「完全に有効」であって裁判所の管轄の外にあると主張した。国防総省の広報はそれ以上の説明を避け、報道機関をマイケルの投稿に案内している。

  7. 26
    ガバナンスAnthropic / Fortune

    設定ミスで未公開モデルMythosの存在が露見

    Fortuneの記者が、Anthropicのブログ基盤に紐づくデータ置き場が公開状態になっているのを見つけた。認証も要らず検索もできる状態で、未公開の資産およそ3,000点が置かれていた。その中に「Claude Mythos」という未公表のモデルを告知する下書きがあり、同社がこのモデルを前例のないサイバーセキュリティ上の危険をはらむものと見ていることが書かれていた。下書きではCapybaraという名も使われている。Anthropicは存在を認め、「段階が変わるほどの」性能で「これまで作った中で最も高性能」だとし、早期アクセスの顧客が試用中だと述べた。原因は社内のコンテンツ管理システムの設定の誤りだった。安全性を掲げてきた企業が、自社が最も危険だと考えるモデルの存在を、自らの手違いで明かした格好になった。

  8. 31
    ガバナンスAnthropic / Fortune

    Claude Codeのソースが流出、5日で2件目

    Claude Codeのソースコードが公開状態になっていたと報じられた。1,900ファイル、約50万行にあたる。配布用に組み上げた版だけでなく、元のソースまでNPMに上げてしまったことが原因だった。Anthropicは「顧客の機微な情報や資格情報は含まれておらず、人為的な誤りによる配布物の作り方の問題であって、侵害ではない」と説明し、再発を防ぐ手当てを進めているとした。ある研究者は、通常の公開手順を迂回した近道による「人為的なミス」に見えると述べている。5日前にはブログ基盤の設定ミスで未公開モデルMythosの存在が露見しており、短い間に2件が続いた。