2024年

12月

7件

編集部の総括

OpenAIが12日間の連続発表、Googleはエージェントを掲げる

5日、OpenAIが「12 Days of OpenAI」を始める。初日に月額200ドルのChatGPT Proを発表。9日にSoraを一般公開し、20日には次世代の推論モデルo3を示した。o3は難問を集めた評価で数字を大きく伸ばしたと発表される。

11日、GoogleがGemini 2.0を発表。「エージェントの時代」を掲げ、画面を見て操作を代行する試作もあわせて並べた。

27日、OpenAIが公益法人(PBC)への再編方針を公表。非営利が営利子会社を支配する構造を組み替えると説明した。

26日には中国のDeepSeekがV3を公開。学習にかけた費用の低さが話題になる。

この月のポッドキャストBG2では、ナデラが「業務アプリはエージェントの時代に崩れる」と語った。本人の言葉ではないものの、発言は「SaaSは死んだ」という言い回しになって独り歩きを始める。

このブロックは編集部が書いた総括です。出典付きの記録とは分けて表示しています。

記録7件
  1. 文化Microsoft / サティア・ナデラ

    ナデラの発言から「SaaSは死んだ」が広がる

    MicrosoftのCEOサティア・ナデラがポッドキャストBG2で、業務アプリケーションは「業務ロジックを少し載せたCRUDデータベース」であり、エージェントがロジックを担う時代にはその形が崩れる、と語った。本人は「死んだ」という言葉を使っていないが、発言は「SaaS is dead(SaaSは死んだ)」という見出し語になって独り歩きした。ナデラは翌2025年5月にも同趣旨の見立てを繰り返している。日本語圏でも「SaaS is Dead」はそのまま流行語になり、SaaS各社が見解を問われる定番の問いとして残った。

  2. 5
    製品OpenAI / サム・アルトマン

    ChatGPT Pro開始、「12 Days of OpenAI」開幕

    OpenAIが12営業日連続で発表を行うイベント「12 Days of OpenAI」を開始し、初日に月額200ドルの新プラン「ChatGPT Pro」と推論モデルo1の正式版を発表した。ProはOpenAI o1やGPT-4o、Advanced Voiceの無制限利用に加え、より多くの計算を使って難問に答えるo1 pro modeを含む。イベント期間中にはSoraの一般公開やo3の発表など主要リリースが相次いだ。

  3. 9
    製品OpenAI / サム・アルトマン

    Sora一般公開

    OpenAIが動画生成モデルSoraを一般公開した。2月の発表から約10か月を経て、高速化した新版Sora Turboを専用サイトsora.comで提供し、ChatGPT PlusとProの加入者が利用できる。米国をはじめ多くの国で利用可能となったが、EUと英国では当初提供されなかった。「12 Days of OpenAI」の3日目の発表として行われた。

  4. 11
    モデルGoogle / サンダー・ピチャイ / デミス・ハサビス

    Gemini 2.0を発表、「エージェントの時代」を掲げる

    GoogleがGemini 2.0を発表し、これを「エージェントの時代(agentic era)」に向けたモデルと位置づけた。実験版のGemini 2.0 Flashを主要製品で世界に展開。マルチモーダルで画像生成と多様な音声出力に対応し、話す速さの指定もできる。Gemini 1.5 Proの2倍速で性能は上と説明された。あわせて、ブラウザの画面上の情報——ピクセル、テキスト、コード、画像、フォーム——を理解してChrome拡張を通じて作業を代行する研究プロトタイプProject Marinerを公開。実世界のウェブ作業を測るWebVoyagerベンチマークで、単一エージェント構成として当時最高の83.5%を記録した。コーディング支援のJulesなど一連のエージェント関連の試作も同時に示され、各社が「答えるAI」から「作業するAI」へ軸を移す流れが明確になった。

  5. 20
    モデルOpenAI / サム・アルトマン

    OpenAI、次世代推論モデルo3を発表

    OpenAIが「12 Days of OpenAI」最終日に、o1に続く次世代推論モデルo3と小型版o3-miniを発表した。一般提供に先立ち、外部の安全性研究者によるテストの受付を開始した。汎化能力を測るARC-AGIベンチマークで従来モデルを大きく上回るスコアを示したと発表され、推論モデルの性能向上の速さを印象づけた。なお「o2」の名称は英通信会社O2との商標上の理由で回避されたと報じられた。

  6. 26
    モデルDeepSeek

    DeepSeek-V3を公開、訓練費用は約560万ドル

    中国のDeepSeekがDeepSeek-V3を公開した。総パラメータ6,710億の疎なMixture-of-Expertsで、1トークンあたりに使うのは370億。14.8兆トークンで学習させ、要した計算はH800で278.8万時間、費用にしておよそ560万ドルとされた。GPT-4の訓練費用が5,000万〜1億ドルと見積もられていたのに対し、一桁少ない金額で最上位に迫る性能が出たことになる。重みは公開された。輸出規制で最上位のGPUを買えない側が、その制約の下で効率を詰めて成果を出したという読み方をされ、規制の効き方そのものへの問いにもなった。もっとも、この560万ドルは最終的な学習実行にかかった分であって、研究・試行・設備の費用を含まない点は当時から指摘されている。

  7. 27
    ガバナンスOpenAI / サム・アルトマン / イーロン・マスク

    OpenAI、公益法人(PBC)への再編方針を発表

    OpenAIが、営利部門をデラウェア州の公益法人(Public Benefit Corporation)に転換する再編方針を発表した。「想像していたよりはるかに多くの資本が必要になった」として、資金調達を容易にする構造への移行を掲げた。非営利組織はPBCの大株主として存続し、慈善活動を担うとした。2019年のcapped-profit(利益上限付き)体制からの大きな転換であり、イーロン・マスクらによる法廷闘争のさなかの表明として議論を呼んだ。