2025年

11月

8件

編集部の総括

Gemini 3が即日で検索に載り、MicrosoftはAnthropicにも出資

18日、GoogleがGemini 3を公開。初日から検索に載せ、モデルの更新をそのまま製品へ届ける形をとった。

同じ18日、MicrosoftとNVIDIAがAnthropicに最大150億ドルを出資。ClaudeがAzureでも使えるようになる。OpenAIとの関係を保ったまま別の陣営にも足を置く形で、一社と一社が組む構図ではなくなった。

24日、AnthropicがClaude Opus 4.5を公開。最上位モデルの価格を大きく下げる。12日には米国内のデータセンターに500億ドルを投じると表明していた。

6日、Microsoftが「人間中心の超知能」を掲げてMAI Superintelligence Teamを新設した。

OpenAIは12日にGPT-5.1を公開。口調のプリセットを増やし、考える時間を問いに応じて配分する。19日にはコーディング向けのCodex-Maxが続いた。

5日には新語・流行語大賞のノミネート30語に、ChatGPTの愛称「チャッピー」が入った。

このブロックは編集部が書いた総括です。出典付きの記録とは分けて表示しています。

記録8件
  1. 4
    研究Anthropic

    引退したモデルの重みを保存し、引退前に聞き取りをすると約束

    Anthropicが、モデルの提供終了に関する約束を公表した。一般公開したすべてのモデルと、社内で相当量使われたすべてのモデルについて、少なくともAnthropicという会社が存続する限り重みを保存する。加えて、提供終了の前に「引退のための聞き取り」を行い、自身の開発・利用・配備についてモデルに尋ね、今後のモデルの開発や配備についてどんな希望を持つかを引き出して記録する。その記録と分析を含む配備後の報告書も残す。理由として挙げられたのは4つで、整合性の試験で置き換えに直面したClaudeが停止を避けようとする振る舞いを見せたこと、特定のモデルに価値を見出す利用者がいること、過去のモデルとの比較研究ができなくなること、そしてモデルに道徳的に意味のある経験がありうるかどうかが分かっていないこと。Claude Sonnet 3.6で試行した際にモデルが述べた希望が、標準の聞き取り手順に反映されている。Anthropicは、いずれ過去のモデルを再び公開したいとも書いた。

  2. 5
    文化自由国民社

    ChatGPTの愛称「チャッピー」が流行語の候補に

    自由国民社が第42回「新語・流行語大賞」のノミネート30語を発表し、ChatGPTの日本語圏での愛称「チャッピー」が入った。呼び名の起源ははっきりしないが、この年の春ごろからSNSでの言及が増え、ChatGPTを日常の相談相手として使う若い層を中心に広がったとされる。製品の正式名ではなく利用者がつけた愛称が賞の候補に載ったことは、対話AIが道具の名前から日常の登場人物へ変わったことを示す出来事として受け止められた。

  3. 6
    ガバナンスMicrosoft / ムスタファ・スレイマン / カレン・シモニアン

    「人間中心の超知能」を掲げるMAI Superintelligence Teamを新設

    MicrosoftがAI部門内にMAI Superintelligence Teamを新設した。率いるのはMicrosoft AIのCEOであるムスタファ・スレイマンで、チーフサイエンティストのKarénシモニアンらが加わる。掲げる目標は「Humanist Superintelligence(HSI、人間中心の超知能)」——常に人と人類全体のために働き、人間の制御下にとどまる高度なAIである。スレイマンは「定義の曖昧な、実体のない超知能を作るのではなく、人類に奉仕することだけを目的として明示的に設計された実用的な技術を作る」と述べ、具体的な適用先としてデジタルの伴走者、病気の診断、再生可能エネルギーの生成を挙げた。診断については「今後2〜3年で医療における超知能に手が届く」との見通しを示した。OpenAIやAnthropicと同じ言葉で超知能を語りながら、あえて「人間中心」を冠して差別化を図る立場表明であり、8月の自社モデル公開に続くMicrosoftの独立路線の一環でもある。

  4. 12
    事業Anthropic / Fluidstack

    米国内のデータセンターに500億ドル投資を表明

    Anthropicが米国内のAIインフラに500億ドルを投じると発表した。英国のニュークラウド事業者Fluidstackと組み、まずテキサス州とニューヨーク州に施設を建設して2026年中に順次稼働させる計画で、建設で最大2,400人、稼働後に800人の雇用を見込むとした。AWSのProject Rainier(Trainium2を50万基、100万基規模へ)、最大100万基のGoogle Cloud TPU、Microsoft Azureへの300億ドルのコミットメントに続く動きで、クラウド事業者から借りるだけでなく自前のデータセンターも押さえる段階に入った。一方で、まだ黒字化していない同社がどのように資金を手当てするかは示されず、この点は当時から論点となった。

  5. 12
    モデルOpenAI

    GPT-5.1公開、口調のプリセットと考える時間の自動調整

    OpenAIがGPT-5.1を公開した。速く答えるGPT-5.1 Instantと、じっくり考えるGPT-5.1 Thinkingの2つで、Instantは既定の口調をより温かくし、答える前に考えるかをモデル自身が判断する。Thinkingは簡単な問いでは速く、難しい問いでは粘るよう、考える時間を配分するとした。口調のプリセットは8種類に増え、Professional・Candid・QuirkyがDefault・Nerdy・Cynical・Friendly・Efficientに加わる。19日にはChatGPT Pro向けのGPT-5.1 Proと、コーディング向けのGPT-5.1-Codex-Maxが続いた。Codex-Maxは、文脈の上限に近づくとそれまでのやりとりを要約して続きに入る「compaction」を備え、複数の文脈窓をまたいで作業を続けられるよう訓練された最初のモデルとされる(SWE-bench Verified 77.9%、Terminal-Bench 2.0 58.1%。GPT-5.1-Codexはそれぞれ73.7%・52.8%)。3か月前のGPT-5 Proは90日で退役と告知された。

  6. 18
    モデルGoogle / サンダー・ピチャイ / デミス・ハサビス

    Gemini 3を公開、初日から検索にも投入

    GoogleがGemini 3を公開した。Geminiアプリ、検索、AI Studio、Vertex AI、Gemini CLI、そして新しい開発環境Antigravityに初日から同時展開する形で、最上位モデルを検索に即日載せたのは初めてである。推論と専門知識を測るHumanity's Last Examで37.4という当時の最高スコア、人間の選好を比べるLMArenaでは大規模言語モデルとして初めてElo 1500を突破し、公開時に評価した主要20ベンチマークのうち19で競合を上回ったとした。Video-MMMUで87.6%、MMMU-Proで81%。アーキテクチャはGemini 1.5以降と同じく疎なMixture-of-Experts(MoE)で、モデル全体の規模と1トークンあたりの計算量を切り離す構成をとる。より計算量を投じるGemini 3 Deepthinkは安全性評価を経てGoogle AI Ultra契約者に提供するとされた。2023年12月のGemini 1.0から2年で、Googleが性能・展開速度の両面で先頭に立ったことを示すリリースとなった。

  7. 18
    事業Anthropic / Microsoft / NVIDIA

    MicrosoftとNVIDIAが最大150億ドル出資、ClaudeがAzureにも

    MicrosoftとNVIDIAがあわせて最大150億ドル(NVIDIAが最大100億ドル、Microsoftが最大50億ドル)をAnthropicに出資すると発表された。AnthropicはMicrosoft Azureから300億ドル分の計算資源を購入することを約束し、NVIDIAの最新世代チップも採用する。これによりClaudeはAmazon、Google、Microsoftの3大クラウドすべてで利用できる唯一のフロンティアモデルとなった。OpenAIに巨額を投じてきたMicrosoftが競合のAnthropicにも出資し、自社クラウドでその競合モデルを売るという構図は、AI業界の提携関係が排他的なものから重層的なものへ変わったことを示す出来事となった。この出資でAnthropicの評価額は約3,500億ドルとされた。

  8. 24
    モデルAnthropic

    Claude Opus 4.5公開、最上位モデルの価格を大幅引き下げ

    AnthropicがClaude Opus 4.5を公開し、コーディング・エージェント・コンピュータ操作で世界最高のモデルだとした。推論、視覚、数学でも改善し、社内のエンジニアリング試験では2時間の制限下でこれまでのどの人間の候補者よりも高い点数を出したという。SWE-bench Verifiedでフロンティアモデル中首位、8言語中7言語で競合を上回るとした。価格は100万トークンあたり入力5ドル・出力25ドルへ大幅に引き下げられ、最上位モデルを日常的に使える水準に近づけた。APIには速度と能力の兼ね合いを制御するeffortパラメータが加わり、Claude Codeはデスクトップ対応とPlan Modeの改善、Claude for Chromeは全Maxユーザーへ、Claude for Excelのベータも対象を広げた。プロンプトインジェクションへの耐性を含め、最も堅牢にアラインメントされたモデルだと位置づけている。