2024年

10月

6件

編集部の総括

AI研究にノーベル賞2つ、Claudeがパソコンを触り始める

8日と9日、AI研究に2つのノーベル賞。物理学賞をジェフリー・ヒントン、化学賞をデミス・ハサビスとジョン・ジャンパーが受ける。ヒントンは受賞会見で自らの研究の危うさにも触れた。

22日、AnthropicがClaudeにcomputer useを追加。画面を見てカーソルを動かし、人間が使うソフトをそのまま操作させる公開ベータである。15日には責任あるスケーリング方針を改定し、能力のしきい値を明確にした。1日にはダリオ・アモデイが長編エッセイ「Machines of Loving Grace」を公開している。

2日、OpenAIが66億ドルを調達。評価額は1,570億ドルとなった。31日にはChatGPT searchを公開。7月に試作として見せたものを本体に組み込んだ。

このブロックは編集部が書いた総括です。出典付きの記録とは分けて表示しています。

記録6件
  1. 人事Anthropic / ダリオ・アモデイ

    ダリオ・アモデイが長編エッセイ「Machines of Loving Grace」を公開

    Anthropic CEOのダリオ・アモデイが約1万4,000語のエッセイ「Machines of Loving Grace」を公開した。リスクを語る立場として知られる自身が、あえて「AIがうまくいった場合に何が起きるか」を具体的に描いた文章。生物学と健康、神経科学と精神衛生、経済発展と貧困、平和とガバナンス、労働と生きる意味の5分野を扱い、強力なAIが50〜100年分の生物学の進歩を5〜10年に圧縮しうる、といった見通しを示した。ガバナンスの節では、民主主義国が連携してAIの優位を保つ「entente strategy」を提唱。AI企業トップの世界観を示す文書として広く読まれ、以降の議論で頻繁に参照された。

  2. 2
    事業OpenAI / Microsoft / サム・アルトマン / Thrive Capital

    OpenAI、66億ドル調達で評価額1,570億ドルに

    OpenAIが66億ドルの資金調達ラウンドの完了を発表した。ポストマネーの評価額は1,570億ドルで、当時の非上場企業として史上最大級の調達となった。ラウンドはThrive Capitalが主導し、MicrosoftやNVIDIA、SoftBankなどが参加した。フロンティアAI研究の推進と計算能力の拡大に資金を充てると説明された。

  3. 9
    研究Google / ジェフリー・ヒントン / デミス・ハサビス / ジョン・ジャンパー

    AI研究に2つのノーベル賞、ヒントン・ハサビス・ジャンパーが受賞

    2024年のノーベル賞で、AI研究が2日連続で受賞した。10月8日の物理学賞はジョン・ホップフィールドとジェフリー・ヒントンに、連想記憶と人工ニューラルネットワークの基礎を築いた業績で授与された。ヒントンは2013年から2023年までGoogleに在籍し、退社後はAIのリスクを訴えてきた人物である。翌10月9日の化学賞は、半分がデビッド・ベイカーの計算によるタンパク質設計に、もう半分がGoogle DeepMindのデミス・ハサビスとジョン・ジャンパーのタンパク質構造予測に対して授与された。2人が2020年に発表したAlphaFold2により、研究者が同定した約2億のタンパク質のほぼすべての構造を予測できるようになった。深層学習が科学の主流から正面から評価された週であり、Google(現・元)の研究者が2つの賞に名を連ねた点でも象徴的だった。

  4. 15
    ガバナンスAnthropic

    責任あるスケーリング方針を改定、能力しきい値を明確化

    Anthropicが2023年9月に公表したResponsible Scaling Policy(RSP)を1年の運用を踏まえて改定した。リスク管理は「比例的・反復的・他社が真似できる形」であるべきという考えを掲げ、特定の能力しきい値(Capability Threshold)に達した時点でASL-3のセキュリティ基準または配備基準へ引き上げる構成に整理した。AIの研究開発能力に関するしきい値は、初級のAI研究業務を完全に自動化できる水準と、実効的なスケーリング速度を劇的に加速できる水準の2段に分割された。ASL-3で求める対策は具体的な手段の列挙から、達成すべき基準とその満たし方を示す成果志向の記述へ改められた。安全性の枠組みを固定的な宣言ではなく改訂を前提に運用する姿勢を示した改定である。

  5. 22
    モデルAnthropic

    Claudeがパソコンを操作する「computer use」を公開ベータ提供

    Anthropicが改良版Claude 3.5 SonnetとClaude 3.5 Haikuを公開し、あわせて「computer use(コンピュータ操作)」を公開ベータで提供開始した。用途ごとの専用ツールを介さず、画面を見てカーソルを動かし、ボタンをクリックし、文字を打ち込む——人がパソコンを使うのと同じやり方でClaudeがソフトウェアを操作する仕組みである。Anthropic自身も「実験的で、ときに扱いにくく間違えやすい」と認めつつ、開発者の反応を得るため早期に出したと説明した。ベンチマークではOSWorldでスクリーンショットのみの条件で14.9%(次に高いシステムは7.8%)、操作手順を追加すると22.0%。改良版SonnetはSWE-bench Verifiedで33.4%から49.0%へ改善し、当時公開されていたモデルの中でOpenAIのo1-previewを含め首位とした。

  6. 31
    製品OpenAI

    ChatGPT search公開

    OpenAIがChatGPTにリアルタイムのウェブ検索機能「ChatGPT search」を正式に組み込んだ。7月にプロトタイプとして公開したSearchGPTの成果を製品化したもので、ニュースや株価、天気などの最新情報を出典リンク付きで回答する。まずPlusとTeamのユーザーに提供され、GoogleやMicrosoftの検索事業への挑戦として受け止められた。