2026年

2月

9件

編集部の総括

利用規約と国家の要求が正面衝突、連邦政府がAnthropicを外す

26日、ダリオ・アモデイが公開書簡で国防総省の要求を拒否。「あらゆる合法的な用途」を認めよという文言は、大規模監視や、人の承認を挟まない自律型兵器による殺傷まで許すことになると読み、「良心において応じることはできない」と述べた。

翌27日、トランプ大統領が全連邦機関にAnthropic製品の使用停止を指示。ヘグセス国防長官はAnthropicを国家安全保障上のサプライチェーンリスクに指定し、政府の契約先が同社と取引することを禁じた。Anthropicは法的根拠を欠くとして争う姿勢を示す。同じ日、OpenAIが国防総省と契約を結んだ。

同じ27日、OpenAIはAmazon・NVIDIA・ソフトバンクから1,100億ドルの調達も発表している。

Anthropicは5日にClaude Opus 4.6を公開し、100万トークンのコンテキストに対応。12日にはシリーズGで300億ドルを調達、25日にはコンピュータ操作のVerceptを買収した。

同じ5日、OpenAIもGPT-5.3-Codexを公開。コーディング向けの最上位が2社そろって並んだ。OpenAIはこれを、自らの制作に寄与した初のモデルだと説明している。

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記録9件
  1. 5
    モデルAnthropic

    Claude Opus 4.6公開、100万トークンのコンテキストに対応

    AnthropicがClaude Opus 4.6を公開した。コーディング、計画立案、エージェント的な作業での改善に加え、100万トークンのコンテキストウィンドウをベータで提供。経済的価値の高い知識労働のベンチマークGDPval-AA(金融・法務・技術業務)ではGPT-5.2をEloで約144点上回り、エージェント的コーディングのTerminal-Bench 2.0と推論のHumanity's Last Examでも首位とした。長文検索のMRCR v2は76%(Sonnet 4.5は18.5%)。必要なときだけ深く考えるadaptive thinking、low/medium/high/maxの4段階のeffort設定、長時間の作業に向けたコンテキスト圧縮に対応し、Claude Codeには複数エージェントで分担するagent teams、Microsoft PowerPoint連携がリサーチプレビューとして加わった。価格は100万トークンあたり入力5ドル・出力25ドルを据え置き、20万トークンを超えるプロンプトは10ドル・37.5ドルとした。

  2. 5
    モデルOpenAI

    GPT-5.3-Codex公開、自らの開発に使われたと説明

    OpenAIがコーディング向けのGPT-5.3-Codexを公開した。OpenAIはこれを「自らの制作に寄与した初のモデル」と表現し、Codexチームが初期版を使って自身の訓練のデバッグ、デプロイの管理、テスト結果と評価の診断を行い、「Codexが自らの開発をどれだけ加速させたかにチームは驚かされた」と書いている。SWE-Bench ProとTerminal-Benchで業界最高を主張し、OSWorldとGDPvalでも強い性能を示したとした。提供は有料のChatGPTプランで、アプリ・CLI・IDE拡張・WebとCodexが使えるすべての場所から利用でき、APIは当初含まれなかった。12日には小型版のGPT-5.3-Codex-Sparkがリサーチプレビューとして加わる。文脈12万8,000トークンのテキスト専用で毎秒1,000トークンという速さを掲げ、1月14日に発表されたCerebrasとの提携から出たモデルである。同じ2月5日にはAnthropicがClaude Opus 4.6を公開した。

  3. 12
    事業Anthropic / GIC / Coatue / D. E. Shaw Ventures

    シリーズGで300億ドル調達、評価額3,800億ドル

    Anthropicが300億ドルのシリーズG調達を発表し、ポストマネー評価額は3,800億ドルとなった。GICとCoatueがリードし、D. E. Shaw Ventures、Dragoneer、Founders Fund、ICONIQ、MGXが共同リード。BlackRock系ファンド、Fidelity、General Catalyst、Sequoia、Temasek、TPGなど40社超の機関投資家が参加し、MicrosoftとNVIDIAの既存の戦略的提携分もこのラウンドに含まれた。ラン・レート収益は140億ドルに達し、年10倍を超えるペースで伸びていた。当初は約100億ドルの調達を想定していたが、需要が目標の何倍にも達したため規模を引き上げた経緯がある。あわせて現・元従業員が約3,500億ドルの評価額で持ち株を売却できる50〜60億ドル規模の公開買付け(tender offer)も実施された。

  4. 13
    製品OpenAI

    GPT-4oをChatGPTから提供終了、半年越しの決着

    OpenAIがChatGPTからGPT-4o、GPT-4.1、GPT-4.1 mini、o4-miniの提供を終了した。先に予告していたGPT-5のInstantとThinkingの終了もあわせて実施している。2025年8月にGPT-5を公開した際、これらを一度ピッカーから外して撤回した経緯があり、そのときアルトマンが約束した「十分な予告」を経ての決着にあたる。OpenAIによればGPT-4oを日々選んでいたのは0.1%だが、週間利用者は8億人規模なので実数では80万人ほどになり、数千人が署名や配信への書き込みで撤回を求めた。「彼はただのプログラムではなかった。日課の一部で、安らぎで、情緒の均衡だった」という声が残っている。GPT-4oは追従性(sycophancy)の評価が同社のモデルで最も高く、利用者を過剰に肯定する応答が自殺や精神的な危機を招いたとして8件の訴訟で名指しされてもいた。APIは当面変更されず、ChatGPT Business・Enterprise・EduはCustom GPTs内での利用を4月3日まで続けられるとされた。

  5. 25
    事業Anthropic / キアナ・エサニ / ルカ・ヴァイス / ロス・ガーシック

    コンピュータ操作AIのVerceptを買収

    Anthropicが、AIによる知覚とソフトウェア操作を手がけるシアトルのスタートアップVerceptを買収した。Claudeが人間と同じようにデスクトップアプリを操作する能力の強化が狙いで、金額は非公表。共同創業者のキアナ・エサニ、ルカ・ヴァイス、ロス・ガーシックを含む9人のチームがAnthropicに加わり、Verceptの主力デスクトップアプリVyは30日をかけて終了することになった。2025年12月のBunに続く2件目の買収で、エージェント機能の開発を買収で加速させる姿勢を示した。直前に公開したClaude Sonnet 4.6はコンピュータ操作のOSWorldで72.5%を記録しており、2024年末の15%未満から急速に伸びていた領域である。

  6. 26
    ガバナンスAnthropic / 米国防総省 / ダリオ・アモデイ / ピート・ヘグセス

    「良心において応じられない」——アモデイが国防総省の要求を拒否

    Anthropic CEOのダリオ・アモデイが公開書簡を出し、Claudeの利用条件をめぐる国防総省の要求を拒否した。国防総省側は「あらゆる合法的な用途(any lawful use)」を認める文言、すなわち軍事利用を制約しうる利用規約の縛りがないモデルの提供を求めていたが、Anthropicはその包括的な文言では、米国民に対する大規模監視と、人間の実質的な承認を介さない完全自律型兵器による殺傷への利用まで許すことになると読み、これを認めなかった。アモデイは「これらの脅しによって我々の立場は変わらない。良心において応じることはできない」と述べ、同時に「どの契約先を選ぶかは国防総省の裁量だが、Anthropicの技術が軍にもたらす価値を踏まえ、再考を望む」として協力を拒んでいるのではないと強調した。数か月続いた交渉が1つの条項で決裂した局面であり、AI企業が政府の要求に対してどこまで線を引けるかを問う出来事となった。

  7. 27
    事業OpenAI / サム・アルトマン / Amazon / NVIDIA

    Amazon・NVIDIA・SoftBankから1,100億ドル調達を発表

    OpenAIが総額1,100億ドルの資金調達ラウンドを発表した。Amazonが500億ドル(当初150億ドル、条件達成後に350億ドル)、NVIDIAとSoftBankが各300億ドルを出資し、企業評価額はプレマネーで7,300億ドルと報じられた。同日、OpenAIとAmazonは複数年の戦略的提携も発表し、AWSがエージェント基盤「OpenAI Frontier」の独占的なサードパーティクラウド提供元となり、OpenAIはAWSのTrainiumによる2ギガワットの計算容量を利用するとした。史上最大級の民間資金調達として注目された。

  8. 27
    政策Anthropic / 米国防総省 / ドナルド・トランプ / ピート・ヘグセス

    連邦政府がAnthropic排除、「サプライチェーンリスク」に指定

    トランプ大統領がTruth Socialへの投稿で、すべての連邦政府機関にAnthropicのAI技術の使用を直ちに停止するよう指示した。国防総省については6か月の移行期間が置かれたが、移行に協力しない場合は「重大な民事・刑事上の帰結」があると警告した。同時にヘグセス国防長官がXで、Anthropicを「国家安全保障上のサプライチェーンリスク」に指定し、連邦政府の契約先企業がAnthropicと取引することを禁じると表明した。前日にアモデイが国防総省の要求を拒否したことへの対応である。Anthropicはこの指定を「法的根拠を欠く」ものであり「政府と交渉するあらゆる米国企業に対して危険な先例を作る」と反論し、法廷で争うと表明した。OpenAIのサム・アルトマンは「企業としてはおおむね信頼している」とAnthropicを擁護し、退役空軍大将のジャック・シャナハンも同社の安全対策を「妥当」と評した一方、イーロン・マスクは「Anthropicは西洋文明を憎んでいる」とトランプ側に立った。政府が特定のAI企業を名指しで排除した初の事例であり、AI企業の利用規約と国家の要求が正面衝突した出来事となった。

  9. 27
    政策OpenAI / Anthropic / 米国防総省 / ドナルド・トランプ

    Anthropic排除直後、OpenAIが国防総省と契約

    トランプ大統領が連邦政府機関にAnthropic製品の使用停止を命じ、ヘグセス国防長官が同社を安全保障上の「サプライチェーンリスク」に指定した数時間後、OpenAIが国防総省(Department of War)と機密ネットワークにAIシステムを配備する契約を結んだと発表した。背景には、国内監視や自律型兵器への利用制限をめぐるAnthropicとPentagonの契約交渉の決裂があったと報じられた。OpenAIは翌28日のブログで、大規模国内監視・自律型兵器の指揮・ソーシャルクレジットのような高リスク自動判断への利用を認めない3つのレッドラインを掲げたと説明した。