2024年

2月

8件

編集部の総括

Googleが攻めと守りを同時に、OpenAIは動画へ

8日、GoogleがBardをGeminiに改称。有料のGemini Advancedを始める。15日にはGemini 1.5 Proが100万トークンのコンテキストを扱えるとして発表。21日にはオープンウェイトのGemmaを公開した。

同じ15日、OpenAIが動画生成モデルSoraを発表。一貫した1分の映像を見せ、反響が大きかった。公開はせず、限られた相手への提供にとどめる。

22日、Geminiの人物画像生成が停止に追い込まれる。歴史上の人物を描くよう求めた指示に対して史実と異なる人物像を返す例が広がり、Googleは修正まで機能を止めると発表した。

29日にはイーロン・マスクがOpenAIとサム・アルトマンを提訴。設立時の約束に反したという主張である。

このブロックは編集部が書いた総括です。出典付きの記録とは分けて表示しています。

記録8件
  1. 8
    製品Google / サンダー・ピチャイ

    BardをGeminiに改称、有料のGemini Advancedを提供開始

    GoogleがBardの名称をGeminiに変更し、最上位モデルUltra 1.0を使える有料プランGemini Advancedの提供を開始した。価格は月19.99ドルのGoogle One AI Premiumに含まれ、英語で150の国・地域で利用可能とされた。あわせてAndroidとiOS向けのGeminiアプリも提供開始。第三者評価者によるブラインド比較で、Ultra 1.0を使うGemini Advancedが競合よりも好まれたと説明した。2023年2月に急いで立ち上げたBardというブランドを1年で畳み、モデル名と製品名を統一する整理である。OpenAIのChatGPT Plusと同じ価格帯に並べた点でも、消費者向けAIサブスクリプションの競争が本格化した局面だった。

  2. 8
    政策米連邦通信委員会

    FCCが、AIの合成音声を使うロボコールを違法と確認

    米連邦通信委員会(FCC)が全会一致で宣言的裁定を採択し、AIで生成した音声はTelephone Consumer Protection Act(TCPA)にいう「人工的な音声」にあたると確認した。同法のもとでは、事前の明示的な同意なく人工音声で自動発信することは違法である。新しい規則を作ったのではなく、既存の規則がどこまで及ぶかを示したもので、効力はただちに生じた。委員長のジェシカ・ローゼンウォーセルは「悪意ある者がAIで生成した音声を迷惑電話に使い、弱い立場の家族から金を引き出し、著名人になりすまし、有権者に誤った情報を与えている」と述べ、州の司法長官がこうした電話の背後にいる者を追える手立てが揃ったとした。3週間前にはニューハンプシャー州でバイデン大統領の偽音声によるロボコールが流れている。

  3. 15
    モデルGoogle

    Gemini 1.5 Proが100万トークンのコンテキストに到達

    GoogleがGemini 1.5 Proを発表し、100万トークンの実験的なコンテキストウィンドウをGoogle AI Studioのプライベートプレビューで提供した。標準は12万8,000トークン。それまで公開されているモデルの最大は20万トークン(AnthropicのClaude 2.1)であり、一桁の飛躍だった。書籍まるごと、コードベース全体、数時間の動画を一度に読ませられるようになり、長文脈の扱いはGoogleの明確な差別化点となった。アーキテクチャにはMixture-of-Experts(MoE、混合エキスパート)を採用。入力に応じて内部の一部の「エキスパート」だけを動かす構成で、学習と提供の効率が上がったと説明した。Googleが自社の主力モデルでMoEの採用を公表したのはこれが最初である。Gemini 1.0の発表からわずか2か月半での世代交代で、この時期のGoogleがどれだけ急いで追い上げていたかを示す。のちにコンテキスト長は各社の競争軸として定着し、2026年にはAnthropic側も100万トークンに対応する。

  4. 15
    モデルOpenAI / サム・アルトマン

    OpenAI、動画生成モデルSoraを発表

    OpenAIがテキストから最長1分の動画を生成できるモデルSoraを発表した。プロンプトの指示に忠実な高精細の映像を生成でき、静止画からの動画化や既存動画の拡張にも対応する。公開時点では一般提供はされず、レッドチームによる安全性評価と一部クリエイターへの提供に限られたが、デモ映像の品質が大きな反響を呼び、動画生成AI競争を加速させた。

  5. 21
    モデルGoogle

    オープンウェイトのGemmaを公開

    Googleが軽量なオープンウェイトモデル群Gemmaを公開した。Gemini開発と同じ研究と技術を使ったとされ、まず20億(2B)と70億(7B)パラメータの2サイズを提供。7Bは消費者向けGPU・TPUでの利用、2BはCPUや端末上での利用を想定した。商用利用と研究利用の両方が認められる。ただしGoogleはこれを「オープンモデル」と呼び、利用条件を伴うオープンウェイトであってオープンソースではないと明確にしていた。MetaのLlamaが押さえていたオープンウェイト領域にGoogleが参入した動きであり、最上位モデルは閉じたまま小型モデルを開放するという各社共通の構図がここで固まる。

  6. 22
    製品Google / サンダー・ピチャイ / プラバカール・ラガヴァン

    Geminiの人物画像生成を停止、歴史的に不正確な出力が問題化

    GoogleがGeminiによる人物の画像生成を一時停止した。歴史的に不正確な描写が次々に見つかったためで、第二次大戦のドイツ兵を人種的に多様に描く、黒人女性の教皇を出す、米国建国の父たちを多民族として描くといった例が指摘された。学習データの偏りを打ち消すために入れた多様性の調整が、歴史的な指定のあるプロンプトでは不適切だと判別できず、過剰に働いた結果だとされた。翌23日、SVPのプラバカール・ラガヴァンがブログでモデルが「過剰に補正し」「過度に保守的だった」と認め、27日にはサンダー・ピチャイが社内メモで生成された画像を「まったく容認できない」と述べ、何が起きたのかを構造的に検証すると説明した。偏りを直そうとした介入が別の不正確さを生むという難しさを露呈した事例であり、政治的な論争にも発展した。人物生成は同年8月に再開された。

  7. 27
    製品Microsoft

    GitHub Copilot Enterprise一般提供

    GitHubが、大企業向けのGitHub Copilot Enterpriseの一般提供を始めた。価格は1人あたり月39ドル。Business版の機能に加え、組織が持つ非公開のコードや文書を参照して答えられる点が中心で、自社の手順に沿った回答や、既存のコードベースに合わせた調整ができる。新しく入った開発者が社内のやり方を聞ける道具として位置づけられた。

  8. 29
    政策OpenAI / Microsoft / イーロン・マスク / サム・アルトマン

    イーロン・マスクがOpenAIとサム・アルトマンを提訴

    共同創業者の一人で2018年に離脱したイーロン・マスクが、OpenAIとサム・アルトマン、グレッグ・ブロックマンをサンフランシスコ上位裁判所に提訴した。人類の利益のためにAIを開発するという設立時の合意に反し、Microsoftとの関係のもとで営利を優先していると主張した。OpenAIは3月5日、設立初期にマスク自身が営利化や大規模資金の必要性を認めていたとするメールを公開して反論した。