GoogleのEthical AIチームを共同で率いていたティムニット・ゲブルが、同社を去ったことを自らTwitterで明らかにした。発端は、大規模言語モデルの危険性を論じた共著論文「On the Dangers of Stochastic Parrots: Can Language Models Be Too Big?」の取り下げ、あるいはGoogle所属著者の名前の削除を会社から求められたことだった。論文は、モデルの巨大化に伴う環境負荷、学習データに含まれる偏見の増幅、そして「意味を理解しているように見えて実際には確率的に言葉を並べているだけ」という性質を指摘していた。ゲブルは条件を提示して交渉しようとしたが、その直後に退職扱いとする連絡が部下たちに送られたと述べている。退職の経緯は当事者間で主張が食い違っており、AI研究者2,000人以上を含む数千人が抗議に署名した。AI企業が自社の技術を批判する社内研究をどう扱うか、という問題を業界に突きつけた出来事である。